安曇野市誕生カウントダウン花火


長野県安曇野市 2005/10/1 00:00~ お薦め度:2 場所取り困難度:1 渋滞度:1


2005年10月1日、穂高町、豊科町、明科町、三郷村、堀金村の5町村が合併して、安曇野市が誕生しました。「安曇野」といえば、観光地として全国的に広く知られていますが、案外知られていないのが、「安曇野」という地名の場所はどこにも無かったという事です。穂高、豊科を中心とした旧南安曇郡一帯を「安曇野」と呼んでいたのですが、地元の人でもどの地域までを安曇野と呼ぶのか非常に曖昧で、各自それぞれの解釈を持っていました。しかし、これでやっと安曇野=安曇野市とはっきりしそうです。

今回の安曇野市誕生イベント花火の花火旅日記は、合併の10月1日の約1ヶ月前から始まります。

9月6日
たまたま見ていた広報誌に「花火協賛募集」の案内を発見です。

「おっ! 安曇野市誕生カウントダウン花火! やっぱりやるんだ。」

安曇野市が誕生する事が決まった時に、花火の打ち上げはあるのかな?と思っていたのですが、そんな情報は全く耳にする事がなかったので、すっかり頭の中から消えていました。

「なに、なに、あっ! あと2日で締め切りだ。2週間以上も前から募集してるんだ。全然知らなかった・・・ 

安曇野近郊の花火大会には毎年お世話になっているし、歴史的な日でもあるので、「花火旅日記」として協賛する事にします。

9月7日
イベント実行委員会事務局に電話で問い合わせをしてみます。

「私が運営しているホームページの名前で協賛したいのですが、個人扱いですか? 企業・団体扱いですか?」

「そうですね・・・・(しばらく考えてから)・・・ホームページの場合は、団体扱いになります。」

「すると、1口の金額は、企業・団体の金額って事ですよね?」

「そ~ですね。ぜひ前向きに検討下さい 」

ガーン!個人と団体では1口の金額が丸1つ違うんですけど・・・

9月9日(協賛金募集最終日)
私の1ヶ月の昼食代を遥かに超える協賛金を携え、安曇野地域合併協議会事務局へ向かいます。花火の協賛で訪れた事を告げると、Welcame状態で迎えて頂きます。
(ん~、やっぱり、お金の力はすごい!

打ち上げ内容に関してはまだ未定な部分が多く詳細は不明なようですが、打ち上げ場所は決定しているとの事で、地図で場所を教えてもらいます。今まで打ち上げたことが無い場所になりそうです。「花火旅日記 様」の領収書をもらい、3週間後に迫った合併の日を待つ事になりました。

9月中旬
新安曇野市の広報担当の方から安曇野市第1号の広報に、カウントダウンイベントの花火写真を提供してもらえないかと依頼があります。協賛もしたし、広報に載せてもらえるのなんて光栄な事なので、快諾します。

9月30日(安曇野市誕生前日)
いよいよ安曇野市誕生まで24時間を切りました。本日は金曜日なので普段通り仕事に出かけますが、午後3時を過ぎた頃から、そわそわして落ち着かないので、午後4時、早々と会社を後にします

(PM)
事務局に教えてもらった打ち上げ場所にいくと、いました、いました。田んぼの中に煙火業者のトラックと花火筒が見えます。早速現場までお邪魔してご挨拶です。昼間の作業はほぼ終了しているそうで、みなさん休憩中です。いつもの花火大会なら簡単に打ち上げ内容を聞くだけなのですが、今日の歴史的な花火の撮影は失敗出来ないので、しっかりと打ち上げ内容を教えてもらいます。

教えてもらった打ち上げ内容は、
0時0分、3~5号を50発以上一斉打ちして、豪華に安曇野市誕生を祝います。(お~、やっぱり聞いておいてよかった。知らなかった絶対撮り損ねてます)その後、しばらく、単発打ちをした後、スターマインを数セット打ち上げ、最後は錦冠菊から銀牡丹一斉で終了です。打ち上げ時間は、7分から10分程度を予定しているそうです。打ち上げ内容を教えていただき、勝手ではありますが、私の協賛金は、カウントダウン直後の一斉打ちに使われる事に決定です

打ち上げ内容、打ち上げ場所がわかったので、撮影場所の検討に入ります。今回の花火撮影には、2つのパターンを考えています。1つは、いつものように花火主役の撮影、もう1つは、イベント会場の人々と花火を一緒に撮影。まずは、前者の花火主役の為の撮影場所検討です。とは言っても、南側に道路と電線がある以外は、広大な田園地帯なので、南風さえ吹かなければ、どこからでも撮影OKです。後者のイベント会場は、ここから北東に直線で700mほど離れた場所にあるスイス村です。

車に乗りイベント会場へと移動です。駐車場に車を停め、イベント会場から打ち上げ方向を望むのですが、途中に民家があり打ち上げ場所を確認する事が出来ません。これでは打ち上げが始まってから画角調整って段取りになってしまうので、短時間勝負の今日の撮影には向いていません。それに、あちこちに置いてある投光機もきっと点いたままでしょうからイベント会場からの撮影はやめ、いつものように花火主役で撮影する事にします。

折角イベント会場にやってきたので、ちょっと雰囲気を味わう事にします。本部席に行き、「協賛者の名簿はありますか?」と聞くと、「はい、ここ記載しています」とカウントダウンイベントのプログラムを一部渡されます。「花火は、あちら側で打ち上がりますから」と打ち上げ方向を指差す係りの方を良く見ると、9月9日に協賛金の受付をしてくれた方で、私の事を覚えていてくれたようです。協賛名簿は、順不同とは書かれていますが、「花火旅日記」は上から3番目に記載されています。ソニーやEPSONより上です
すっかり気を良くして会場内を見学です。会場の真ん中にくす球と安曇野市誕生までをカウントダウンする時計があり、あと6時間40分と表示しています。記念に写真を1枚撮って、後ろを振り向くと、テレビ局のカメラがこっちを向いています。「まずい、まずい、会社を早退してきてるんだから、映さないでよ」アナウンサーが、「現在この場所は豊科町ですが、あと6時間後は、安曇野市になるんです!」と話しています。

今夜打ち上げを担当する煙火師さんへ差し入れにと、たこ焼きを購入して再び、打ち上げ現場へと戻ります。まだ打ち上げまで6時間以上ありますが、煙火師さんは、現場を離れるわけにはいかないので、車の中で待機しています。「イベント会場からの撮影はちょっと無理っぽいので、この辺で撮影します」と差し入れのたこ焼きを渡し、一旦家へ戻ることにします。

帰り道、あれ??「たこ焼き」って縁起的に花火打ち上げ前に渡しても良かったんだろか?と不安になりました。
たこ=凧だとしたら、空に上がるから問題なし。蛸だとしたら、足八本・・・は関係ないか 「焼き」って事は燃える、ん~、星が綺麗に燃えるの歓迎だけど、田んぼが燃えるのはちょっと縁起悪そうだなぁ・・・。いずれにしても、もう渡してしまったものは、仕方ないから無事打ち上げが行われる事を祈りましょう。

家に戻り、ローカルニュースを見ていると、さっきイベント会場にいたアナウンサーが出てきました。
「あと5時間後は、この場所が安曇野市になるんです!」
お~、さっきと同じ事喋ってます どうやらさっきのはリハーサルだったようです。テレビに映ったかと思いましたが、大丈夫のようです。

夕飯を食べて、お風呂に入っているとTsy君から電話が入ります。Tsy君は山の上に登り、夜景と一緒に花火を写す作戦のようです。まだ4時間以上もあるのですが、すでに撮影場所にいるそうです。Tsy君からはノンビリしてるねぇと言われましたが、Tsy君のほうこそ、気合入りすぎです

本日は、上の娘は、ばぁばの家にお泊りで、下の娘は連れて行くことにしています。当然、子供にとって夜12時なんてとっくに寝ている時間なのですが、花火夫婦の間に生まれた性なのか、夕方からご飯も食べずにずっと眠り続け、9時過ぎにむくっと起きたと思ったら、もぐもぐとご飯を食べ、さぁ行こうって顔をしてます

(PM)
私、moora、娘1人を連れ、撮影に向け出発です。まだ打ち上げには時間があるのでイベント会場へ行ってみます。昼間来た時に比べかなり人が増え、カウントダウンのときに演奏する合併地域合同太鼓演奏の太鼓が綺麗に並び出番を待っています。カウントダウン時計もあと1時間弱です。

(PM)
11時からは、イベントホールのサンモリッツで一般公開の人前結婚式が行われます。ホール内は、誰が友達なのか、親戚なのか、はたまた全くの他人なのか、わからないほど沢山の人が集まっています。予定よりやや遅れて結婚式の始まりです。新郎新婦が沢山の人に祝福されて会場に入ってきます。ステージに上がるとホール中から拍手が起きます。私達も人前結婚式(一般公開ではないですよ)だったんで、「あ~、うちらも 同じ事したねぇ」と言いながら見守ります。

と、後ろに座っているおばさま達がなにやら話しています。

「キスは、するのかい?」

「こんな人前でしないでしょ?」

と、注目はすっかりキスのようです。司会者が、「それでは新婦のベールを上げてください」と言うと、新郎がゆっくりとベールを上げ、見詰め合った二人は一瞬照れましたが、そのあと熱い口づけです。その時、後ろのおばさまたちは、というと、

「 ・・・・・ 」

でした。

さて、いよいよ0時が近づいてきました。イベント会場を後にして、花火打ち上げ場所へと移動です。風向きは夕方の北西から、北東に変わっています。

田んぼは、丁度稲刈りが終わったところで、籾殻を燃やしている所があり、時折吹く強い風で、暗闇にオレンジの炎が上がります。風が弱まると、今度は燻されて煙が立ち上っています。(右の写真は、籾殻を燃やしている様子を昼間に撮影したもの)

明るいうちに充分ロケハンしたのですが、外灯が全く無い田んぼでは、何の目印もないので、カメラがちゃんと花火の方向に向いているのか気になります。50発超の一斉がいきなり揚がると知っているだけに、余計気になります。それでも、自分を信じて0時を待ちます。

0時まで、残り3分、2分、1分と近づいてきます。

(AM)
そして私の時計が0時ぴったりを示した数秒後、どど~んと安曇野市誕生を祝う花火が打ちあがります。そう!この花火は、私の協賛金が使われています 3号が下で一斉に開き、そしてすぐさま5号が上空で大きく開きます。安曇野市最初の花火は、紅菊です。・・・・・でも、なんか煙っぽい感じだったなぁとプレビュー画面で確認すると、やっぱりです。籾殻を燃やしている煙が立ち込めているのか?、それとも車のフロントガラスが夜露に濡れているので、こっちの影響でしょうか?いずれにしても折角、風上にいるのに、ちょっと残念です。

次は、旧町村の名産物の型物を交えた単発打ちです。型物はいまいちこちら側を向いてくれず残念です。15発の単発が終わりスターマインです。

横はワイドではありませんが、最大5号までの玉で高さを上手に使ったスターマインになっています。なにしろ打ち上げ時間は非常に短いので、少しでもシャッターチャンスを逃すまいと、必死に撮影します。ラストは、予定通り、錦冠菊のあと、銀牡丹を重ね、安曇野市誕生イベント花火が終了です。打ち上げ時間は6分でした。

イベント会場からは一斉に帰宅する車が出てきて渋滞がおきていますが、私は、田んぼの中から、すいすいと反対方向に出て帰宅したのでした。

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