水郷明科あやめの町花火大会


長野県明科町 2003/8/16 20:00~ お薦め度:4 場所取り困難度:1 渋滞度:3


初めての観覧になる明科町の花火大会です。14日の開催予定だったのですが、雨の影響で本日に順延になっています。今日はもともと他に観覧予定がなかったので、丁度良い順延日です。今年から担当業者が変わり、期待の花火大会です。

(PM)
初めての観覧場所になるので、明科町のHPで、打ち上げ場所と駐車場を確認して出発です。途中、目立った混雑もなく町役場の駐車場に到着です。役場の表側の駐車場は満車で一瞬ヤバッ!と思いますが、裏にまわってみると1台も車が停まっていません警備員らしき人も見当たらず、本当に停めていいのか不安になりながら、駐車所の一番端っこに停めます。ここからは3分程歩くとメイン会場で、すでに数軒の露店が並んでいます。

メイン会場の真上では、川幅400mの犀川を横断するナイアガラのセッティングの真っ只中です。今まで見たことのあるナイアガラは、クレーンで吊っていたり、専用の支柱を立てたりするのですが、ここ明科には常設の塔が両岸に立っていて、そこを利用してナイアガラを吊っています(写真右)。この塔が普段何に使われているのかは判りませんが、ナイアガラを吊るには絶好の塔です。・・・・・なにやらナイアガラの様子が変です。丁度、真中付近のナイアガラが、川面から数メートルの高さまで垂れ下がっています。どうらや、ナイアガラを吊るロープが緩んでしまったようで、関係者と思われる人が携帯電話で「まだ時間はあるから、再度吊りなおそう」と話しています。

観覧場所となる犀川の堤防道路には、メイン会場を中心に北側と南側に場所取りのシートが見えます。シートの数は、圧倒的に南側の方に沢山敷かれていますが、現在の風は北からなので、北側の場所を確保します。風向きが変わった時のために南側も行ってみますが(写真右)ロケーションは北側の方がいい感じです。風が変わらないことを祈り、一旦会場を後にします。

(PM)
明科駅前のスーパーでご飯を調達します。今日も夏らしくない冷たい風が吹いているので、車の中での食事です。着いたときには誰もいなかった駐車場ですが、現在は10数台に増えています。時折打ち上がる雷の煙の流れる方向に変化はなく、今日は北風のままのようです

(PM)
再び会場に行ってみます。心配だったナイアガラも無事、高く吊りあがったようです。丁度、知り合いの煙火師さんにお会いでき、今日の打ち上げ内容をお聞きします。最大は7号で、5号7号の単発・スターマイン・水上スターマイン・ナイアガラ・音楽花火と種類は豊富です。川の中州からの打ち上げで、スターマインは中州の広さを利用してワイドな配置になっているそうです。水上スターマインは、中州の先から川の下流に向けて斜め打ちをする、かなりワイルドな打ち上げです。最後のプログラムはナイアガラで、終わった頃に音楽花火が始まり、エンディングは5号の錦冠菊の連打に7号の錦冠菊をかぶせるようです。話を聞いただけで、もうワクワクしてきました。本部でプログラムをもらい撮影準備に入ります。

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(PM)
すっかり準備は整いましたが、まだ開始には1時間もあります。プログラムに臨時駐車場の地図が書いてあるのですが、私が停めた役場は地図に載っていません停めてはいけない場所だったのでしょうか・・・?でもHPにはしっかり載ってましたから、きっと大丈夫なはずです!

風向きは絶好で、風速も2,3mといったとこです。ただ吹く風は涼しさと通り越して冷たい風です。本日の司会進行は「あやめまつり」で選出されたあやめの女王が担当しています。プログラム27番のお祝い花火には、しっかりあやめの女王として名前が載っています。その女王が盛んに「北側は空いているので、移動してください」と放送しています。どうやら南側の混雑が激しいようです。こちらの人手は、1時間前とほとんど変わっていないのに、南側だけなぜ混雑しているのでしょう・・・?

(PM)
これから、灯篭が流れてくるとアナウンスがあります。昨日の信州新町の灯篭は、近くのダムで水量が調整できるので、ゆっくりとした流れに乗ってきましたが、ここの灯篭は、雨上がりの急激な流れに乗って、あっという間に通過していきます。なかには燃えながら流れている灯篭もあり、周りからも、「燃えてるぞ!」「大丈夫か!」と声があがります。(後日談:県内の別の地域の話ですが、白樺の皮を燃やして流す 灯篭流しの記事が新聞に載っていました。もしかしたら、燃えていて正解だったのかも知れません。どなたか事実をお知りの方はお知らせください)

(PM)
打ち上げ開始に先立って、まずは町長の挨拶からです。「今年の花火の打ち上げ業者は、諏訪湖の新作花火でも入賞している花火屋さんですから、みなさん期待して見て下さい」と挨拶します。私も、「そう、そう、期待してますよ」と心で返事をします。
打ち上げプログラムは5部構成になっています。5部構成とはいってもそれぞれにテーマがあるわけではなく、各部の提供者の名前をいっきに読み上げて、打ち上げを連続で行う進行のようです。もちろん、花火大会は協賛の方々の寄付で成り立っているわけですから当然の事なのですが、提供者が沢山いるので読み終わるまでに5分くらい待たなければいけません。
しかし5分くらい待たされてた事など吹っ飛んでしまう、素晴らしい打ち上げが始まりました。いきなり3箇所からのワイドスターマインで開幕です。周りで見ていた人達からも大きな歓声が上がります。迫力に圧倒され、ファインダーを覗く暇もないほど打ち上げに引き込まれます。開幕のスターマインが終り、次の単発打ちのプログラムになった所で、やっと冷静さを取り戻します。プログラム9番でいよいよ初めてみる川で斜め打ちをする水上スターマインです。中州の先に設置してある筒から、ちょうど45度くらいの角度で、下流に向かって打ち出されました。水中に落ちてから開発するものや落ちる前に空中で開発するものが、目の前で繰り広げられ大興奮です。おそらく、3号玉くらいだと思うのですが、中には5号玉くらいのものまで開発して大迫力です。第1部が終り、再び協賛者読みです。この協賛者読みも、最初こそ長い時間に感じたのですが、今となっては冷静になるのにちょうどいい時間です。スターマインと水上では、カメラを左右に振らないといけないので、次のプログラムを覚えるためにも良い時間です。
第2部が始まりました。スターマインは、どれをとっても構成がすばらしく、単発も多重芯こそないですが、真円の切れがいい花火が打ちあがります。風向きも絶好のままで、最高の花火大会です。3部、4部ともプログラム的には同じ内容ですが、打ちあがる花火は種類が豊富で飽きさせません。スターマイン、水上、単発と、それぞれカメラの角度、方向が違うのでそれだけでも大忙しです。

あっという間に最後の5部の打ち上げです。ナイアガラに火が入りました。バチバチと音を立てながら、全長400mに次々と火が点いていきます。これまでの打ち上げで興奮してザワザワしていた会場に一瞬の静寂が訪れます。そして、ゆっくりと流れはじめると、「わぁ~綺麗!」の声とともに自然に拍手が起こります。もう少し見ていたいと誰もが思ったでしょうが、だんだんと消えはじめ、パンパンと音を立てて消えていきます。そして、すべての火が消えたときに、スピーカーから太鼓の音が流れ出し、音楽花火の開始です。太鼓に合わせ勢い良くトラが打ちあがります。ナイアガラと割り物の多重を狙っていたのですが、なかなかタイミングが合わず、トラだけで露出オーバー気味になってしまったので、あきらめてシャッターを戻します。音楽花火はテンポよく打ち上がり、割り物も入り豪華さを増していきます。そして太鼓のリズムが早くなるとの合わせてトラが扇形に次々と打ち出されたと思った途端に、5号玉の錦冠菊の一斉が打ちあがり、1テンポ遅れて7号の錦冠菊が覆いかぶさるように打ちあがりました。
みんな大満足で帰って行きます。「今年はよかったなぁ」「いやぁ最高だ!」とみんな満足気な言葉を口にしながら帰って行きます。私も暫くは興奮が覚めず、いつもの倍くらい片付けに時間がかかってしまいます。
車に戻る最中、1人の男性が「どうだい。いい写真は撮れたかい?」と聞いてくるので、「花火が良かったですからね。いい写真が撮れてると思いますよ。ところで、明科の花火は毎年来られているのですか?」と尋ねると、「あぁ勿論、私は町長だよ」・・・あまりにも気さくな町長さんに、一瞬びっくりして何も言葉が出なかったのですが、「また来年もきますから、是非同じ業者で」とお願いしておきます。
役場の駐車場付近は渋滞していて、ピクリとも動いていない状況です。でも花火が良かったから、このくらいの渋滞はなんて事ないよと、30分車の中で待つと、駐車場からは車がいなくなり、あとはR19に出るための渋滞だけです。私もノロノロと動き出し、渋滞の最後尾に付こうと思ったのですが、手前に細い道があったので、適当に車を走らせると、あっという前にR19にぶつかります。これにて渋滞終了かと思ったのですが、R19の松本方面はびっちり渋滞です。川の反対側に裏道があるので、一旦長野方面へ走って橋を渡り、再び松本方面に向かいます。途中まではスイスイといい調子だったのですが、結局渋滞にはまってしまって、30分ほど我慢したところで解消です。花火がよかっただけに、1時間くらいの渋滞はなんてことなく家路につきました。

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