長野県穂高町 2005/8/6 20:00~ お薦め度:3 場所取り困難度:1 渋滞度:2
1年のうち1番花火大会が集中する8月。そんな折、長女が体調を崩し入院しました。
「いや~ これは大変。花火に行ってる場合じゃないな。」
っと入院初日は思っていたのですが、2日もするとすっかり顔色が良くなって、食欲も出てきて、これなら明日あたり退院で大丈夫だろ!ってところまで回復してます。
本日は土曜日で会社が休みなので、昼間は私が付き添って、夜はmooraが付き添うことになりました。
(AM)
気温はすでに30度を超えて、暑い一日になりそうです。病院に到着して、昨晩から付き添っていたmooraと交代です。昨日までは話しかけてもろくに返事もしなかった長女ですが、すっかり元気になって、具合が悪かった2日分をまとめたかのようにペチャクチャ話しかけてきます。
私の昼食用に買ってきたパンを見付けると、「食べる、食べる!」と半分以上食べられてしまいます。食欲も出てきたしもう大丈夫だよね?
(PM)
突然、激しい雨が降ってきました。雷も鳴り、かなりの迫力です。30分くらいで雨は上がりますが、雷はまだ鳴ってます。
(PM)
再び、雨が降り出しました。稲妻も光り、これだけ天候が不安定だと打ち上げの準備も大変だと思われます。
(PM)
mooraが病院に戻ってきました。交代した後、穂高の花火に行くことを告げると、
「娘が入院してるのに、花火だぁ。 ハァ? 」
と言わんばかりの痛い視線を感じます
いやいや、娘もすっかり元気だし、だいたいからして、これから
・家に帰って、 夕飯食べて、風呂入って、寝る。
・花火に行って、夕飯食べて、風呂入って、寝る。
私がどっちの行動をとっても我が家の将来に、大差はないよね? ね?
だったら、行ってくるんだけど・・・
と、mooraにこの論理が理解してもらえる事を祈り、病院をあとにします。
(後日、やはりこの論理は理解してもらえなかったようです。あ~あ、花火行くって言わずに黙ってればよかったかなぁ・・・でも、HPに書いちゃうからバレるか)
(PM)
mooraの怒りなのか、強い雨が降り続いています。時折、稲妻が走り、大きな音が地面を震わしています。おそらく昼間のうちに打ち上げ準備は終了しているはずなので、この雨でも打ち上げ「あり」と信じ、会場へ向かいます。この様子では撮影は無理かもしれませんが、天候不順のなか苦労して準備した穂高花火倶楽部や煙火師の方々の為にも、穂高町最後の花火大会の感想をこの「花火旅日記」のHP上に一言でいいから書くぞ!と強い使命感に燃え会場へと車を走らせます。
一向に雨が弱まる気配が無く、「きっと今年は諦めた人が多いだろう」と思いながら、いつもの観覧場所へ向かうと、えっ!なんだこの出足の早さは!私の車を停める場所がないじゃん! ここ数年はいつもこの場所で撮影してますが、今年が一番出足が早いように感じます。
なんとか車を停め、打ち上げ場所方向を見ると、ライトを点け最終チェックをしている人影が見えます。
「間違いない。打ち上げはある!」
そう思うといてもたってもいられず、雨が上がったらすぐに外に出て撮影出来るよう、車の中で準備開始です。
が。。。
準備完了したものの雨が上がる気配はなく、遠くで光る稲妻が周辺を明るくします。
開始10分前、本日予定通り花火大会がある事を知らせる牡丹が打ち上がります。しかし、まだ雨は上がりません。仕方ないので、私の花火撮影史上初の車中からの撮影にチャレンジする事にします。車の中に三脚を立て、窓を開けての撮影です。車の中からでは、レンズを上に向ける事は困難なので、スターマイン中心で撮影する事にします。しかし、いまだに雨が降り続いていますから、1,2枚でも写真が撮れれば万々歳の状況です。
打ち上げ場所のライトが消えました。雨の中打ち上げ開始です。
(PM)
「奇跡」が起きたのか!?! さっきまで、車の屋根を激しく叩いていた雨がピタリと止みました。窓から手を出してみると、僅かながら雨を感じる程度です。
「雨の中、お待たせいたしました。安曇野わさび祭り前夜祭花火大会の始まりです」
と開始を告げる元気なアナウンスが、雨が止み静けさを取り戻した会場周辺に響き渡ります。
「オープニングはスターマインです」
とアナウンスされ、花火大会の始まりです。ドッドッドーンとスターマインが豪快に打ち上がります。初体験となる車の中からの撮影は、非常に段取り悪く、シャッタータイミングを逃しているうちに、あっという間に煙に邪魔され始めます。風は少しありそうですが、花火を綺麗に見せるほどの力は無く、無情にも花火は煙の中へと吸い込まれていきます。
開始から15分、雨は小降りの状態が続き、煙は停滞&方向変えを繰り返して、ついにこちら側に流れ出します。見るだけならまだ大丈夫なのですが、残念ながら写真としてはお手上げ状態なので、「観」に徹っする事にします。煙の間から見える玉は5号までと決して大きくはありませんが、1つ1つが丁寧に作られていて、盆の形の良さ、消え際の潔さは見ていて感動ものです。
あっという間に30分が経ち、最後の音楽花火です。停滞した煙が少しでも流れるのを待つために、3分ほど時間をあけてからの打ち上げになるようです。すっかり安曇野わさび祭り前夜祭花火大会のエンディングとして定着した音楽花火の今年の曲は、氣志團 One Night Carnivalです。音楽花火の場合、音楽と打ち上げのシンクロがわかりやすいほど、見ていて気持ちいいもので、今年も期待大です。曲がスピーカーから流れ始め、テンポいい曲に上手くシンクロして斜めトラが打ち出されます。気付けば、私の周りの人達は小雨の中、車から出て観覧していて、大きな歓声を上げています。曲がワンコーラス終わる頃には、ほとんど煙で見えなくなりますが、シンクロしている様子は音でしっかり伝わってきます。音楽花火は大詰めをむかえ、最後に煙の上に揚がった錦冠菊が綺麗に開くのが見え、花火大会終了です。
「10月からは安曇野市になりますが、これからも穂高花火倶楽部は、がんばっていきます」
と力強いアナウンスが流れます。これに応えるように、あちこちから拍手と歓声が起き、私の近くにいた女性から、「ありがとう」と声が飛びます。
私にとっても、ここ穂高町の花火は、2000年カウントダウン花火の時から、5年間追い続けている思い入れ深い花火大会であります。特に今回は合併を10月に控え、穂高町としての安曇野わさび祭り花火大会は最後です。最高の打ち上げの為に長い時間をかけ準備をしてこの日を迎えたでしょう。多くの打ち上げは、煙で見えませんでしたが、雷雨の中準備をし、無事に打ち上げを終えた関係者の思い入れは充分に伝わってきました。
「ありがとう」の言葉は、この花火大会が地元に愛され、そして地元の人々誇りの花火大会になった証でしょう。
関係者の皆さん、雨の中、本当にお疲れ様でした。