長野県安曇野市 2011/8/14 19:30~ お薦め度:4 場所取り困難度:2 渋滞度:2
今年で5回目の安曇野花火です。平成の大合併で安曇野市が誕生し、それに合わせる形で旧穂高町、旧明科町でそれぞれ行われていた花火大会が1つになり、この安曇野花火となりました。
誰に頼まれたわけでもないのですが、1回目より当日の朝礼の様子や会場の様子を記録として撮り続けています。撮影した写真の1,2枚はHPに掲載しますが、残りの写真は誰の目に触れることなく、私の写真ライブラリに保存されています。朝礼から写真を撮っている人は見かけたことがないので、5回分の写真を持っているのは、世界で唯一、私だけかと思います。ちょっと自慢気に安曇野花火の思い入れを書きましたが、この程度の想いなどたいしたことなく、実行委員長はじめ実行委員スタッフは、数ヶ月も前から本業があるなか多くの時間を割いて準備をし、想いは私の数十倍も熱いものです。だからこそ、たった5年でここまで成長した花火大会を運営できているのでしょう!そして今年、この熱いスタッフに負けない想いを持つ女性に出会うことが出来ました。
(AM)
今年もこの日が来ました。日中は気温が上がって暑い一日になりそうです。
続々と実行委員スタッフが集まってきます。私がここにいても、花火大会の運営には全く役立たないのですが 関係者の皆さんに挨拶し、激励できる事は私の楽しみであります 実行委員長の挨拶の後、数班に別れて準備に取り掛かります。
花火を積んだトラックが会場に入ってきました。知り合いの煙火師さんに挨拶して、早朝から現場にきた目的は達成です
本部席近くの堤防道路上は、すでに場所取りが行われています。実行委員発表では、当日午後3時までは場所取り禁止です。きっと、その事を知らなかった人が場所取りしてしまったのだと、信じたいです・・・
その堤防道路の反対側に、桟敷席がデーンと構えています。去年までは無かったので、今年登場したものですが、いったい誰が設置したのでしょうか?主催者側が設置したようには、思えないのですが・・・
すると一人の女性が桟敷席に上がり、ブルーシートを敷き始めました。その様子をずっと見ていると目があったので会釈すると、ニコッと微笑んでくれます。これはチャンスと思い、「どなたが、この桟敷席を作ったのですか?」と聞くと、「こっちに来なさいよ。話してあげるから」と、桟敷席まで招待してくれます。この女性は、もう一人の女性を連れてきて、「この人が、作った人よ」と紹介してくれます。
この桟敷席をみたときに、ぱっと思いついたのは、施主が親戚や親友を招いて、花火を楽しんでいる姿でしたが、話を聞くとそうではありませんでした。桟敷席は、この女性が自分の資産を投じて建てたものですが、自分が楽しむ為ではありませんでした。毎年、規模が大きくなる安曇野花火は、体が不自由な方にとっては、だんだん近寄りがたい花火大会になってきています。大好きな花火を見られなくなってしまう人がいるのが、彼女には悲しい事だったのだと思います。そこで、自分が所有している田んぼを整地し、そこに桟敷席を作ったのです。個人で作ったものですので、一般の方を受け入れる広さも無いですし受け入れ体制も無いので、ここで観覧できる人は彼女の知り合いに限定されていますが、この桟敷席のおかげで観覧を諦めていた数十人の方は見ることが出来るのです。「今年は初めてやってみたので、車椅子では入ってこれないの。将来は車椅子でも見られるようにしていきたわね」と夢を語ってもらいました。
今まで、運営スタッフの熱い想いに触れる事はあったのですが、一般の人からこんなにも熱い想いを語ってもらえる事はありませんでした。こっちまで、嬉しくなります。それと同時に、自分はかなりの安曇野花火通だという自惚れがあった事が恥ずかしく思います。安曇野花火を愛する人は沢山いるのです。
(PM)
ゲリラ豪雨来襲です!
最近は全国各地でゲリラ豪雨の話を聞きますが、本当に増えましたね。
(PM)
シャトルバスが16時30分から運行開始で、本格的に観覧客が会場入りしてきます。浴衣姿の人も多く、会場にいっきに華やかになります。mooraと子供達も到着です。今年のポスターは、mooraの写真が採用されたので、お礼をかねて本部席を訪問です。プログラムにも写真を使ってもらい、記念に1部もらいます。
(PM)
雲行きが怪しくなってきました。14時のゲリラ豪雨が上がったので、今日はもう大丈夫かと思っていたのですが、まだ降らないと気が済まないようです。結局小雨が降り出し、会場内は一斉に傘が開きます。開始まであと1時間余り。雨がやんでくれることを祈るしか無いです。
(PM)
東日本の震災で犠牲になった方の追悼花火が打ち上がります。ゆっくりと単発の打ち上げです。
(PM)
なんとか雨が上がりました。今年の安曇野花火のテーマは、「安曇野 山紫水明 ~安らぎの地 安曇野~」で、5部構成となっています。各部のテーマは「恵み」「花」「水」「安らぎ」「融合」です。各部の間には、様々な趣向をこらした打ち上げも用意されています。
1部の「恵み」では、暖色系の色を使用しての打ち上げです。2部との間には「キャラクター花火」が音楽に合わせて上がります。型物の打ち上げなのですが、冬の安曇野にやってくる白鳥や、名産品であるワサビの型物も打ち上がります。子供には一番受けのいいプログラムです。
2部の「花」では、まさに花の花火です。安曇野市の研究農場で生まれたサンパチェンスも打ち上がります。3部との間は、「Sky Fantasy」音楽花火です。ゆったりした曲やテンポのいい曲を使い、見事に音楽とシンクロした打ち上げです。が、ここで今まで吹いていた風がピタリと止んでしまい、みるみる煙が溜まり写真にはつらい状況になってきました。
3部は「水」です。ワサビ畑に代表されるように安曇野には綺麗な水が豊富に流れています。この水を表現した打ち上げです。4部との間には、お祝い花火が打ち上がります。安曇野を歌った♪早春賦♪が流れる中の打ち上げです。
4部は「安らぎ」です。安曇野の自然の中で、ゆったりと生活する安らぎを表現しています。5部との間は、Art OF Fire 花火百科です。2発目に揚がったサンパチェンス千輪菊はとても綺麗で素晴らしい出来栄えです。5発目からは昇りの紹介アナウンスが入り、朴、小花、分包がそれぞれ打ち上がります。八重芯、三重芯と高度な技術で作られた芸術玉が打ち上がります。
5部は「融合」です。安曇野で暮らす人々が1つになるのをイメージし、多彩な花火を使った打ち上げです。
そして、フィナーレの音楽花火です。第1回目から基本的なスタンスは変えず、しかし年々打ち上げ方が進歩している安曇野花火を代表する打ち上げです。今年は、序盤は静かに始まり、後半に向け徐々に盛り上がっていく曲を選択したようです。
ゆったりとした音楽に合わせ、花火一発一発が、ゆっくりと優雅に開きます。今までは、迫力や力強さ、豪快といった事を花火から感じて写真を撮っていたのですが、優しさや癒しを、これほど強く感じたのは初めてです。打ち上げは終盤に向かって、一気に迫力を増してきます。周りの観客から歓喜の声がドッと湧き上がっています。なぜか花火を見ながら涙が出てきました。自分でも、「あれ? なんで?」という感じなのですが、沢山の人が安曇野花火を喜んでくれている事が嬉しかったのだと思います。花火を打ち上げているのは煙火師さんだし、運営しているのは実行員の方達なのに、変な話です。。。
5町村が集まって出来た安曇野市の5回目の安曇野花火が終了です。なんとなく区切りの5回目を無事終え、来年の6回目は、どんな進化を見せてくれるのか、今から楽しみです。
(PM)
片付けを終えシャトルバス乗り場に並びます。特別ゆっくりしていた訳ではないし、道草をしていたわけではないのですが、列に並んで10分~20分経っても後ろに列は伸びず、どうやら最終列のようです。バスは充分な台数が用意されているようで、1台発車してもすぐに入れ替わりで別のバスが到着して回転はかなり良いです。9時50分、最終便となるバスに私達も乗車です。道路の渋滞もなければ、駐車場の渋滞も無く、スムーズに家路についたのでした。