片貝まつり浅原神社秋期大祭奉納煙火


新潟県片貝町 2000/9/9 19:30~ お薦め度:4 場所取り困難度:4 渋滞度:5


初めての観覧になる片貝まつり浅原神社秋期大祭奉納煙火です。毎年9月9日、10日と2日間にわたって行われ、日本一の4尺玉(直径120cm、開いた時の大きさ直径約800m)が揚がります。普通、尺玉(直径30cm、開いた時の大きさ直径約320m)が揚がれば、一目置かれる花火大会ですから、その凄さがわかるかと思います。片貝では、4尺玉以外にも、3尺玉(直径90cm)が、2日間で計9発打ち上がります。

初めての観覧なので、インターネットで、打ち上げ時間、駐車場などの情報を入手して出発です。

(AM)
片貝町に到着です。
インターネットで、片貝小学校が臨時駐車場になっている情報は入手したのですが、場所がよくわかりません。しばらく町の中を走っていると、交通整理をしている警備員がいました。
「片貝小学校に行きたいのですが?」
「もう、そちらは一杯なので、ここの道を行ってください。」
しかたなく、誘導されるまま、車を進めます。

しばらく行くと、臨時駐車場と思われるグランドが見えてきました。まだまだ、ガラガラの状態なので、ひとまずここに停める事にします。ふと、グランドの横にある建物に目をやると、『片貝小学校』の文字が見えます 偶然にも、目的地に到着したようです。それにしても、あの警備員の、発言は何だったのでしょうか

すでに到着しているはずの、Gochoさんに連絡をとります。郵便局の近くに車を停めたようです
(PM)
メイン会場である浅原神社に行ってみます。神社に着いて、まずお参りをすると、「御神酒を飲んでいってください」と勧められ、戴くことにします。「今日は、どこから?」と聞かれたので、「長野から」と答えると、「ほぉ~、それは、それは。4尺見に来たんだね」と気さくに話かけてくれます。「隣の建物に花火の資料がおいてあるから見るといいよ」と教えてもらいます。

早速、行ってみると、4尺の打ち上げの筒と、実寸大の4尺玉が置かれています。聞くところによると、筒の高さは5.2m、玉の重さは420Kgになるそうです。玉も大きければ、筒も想像を絶する大きさです。その他に、写真も展示されており、地上で開発してしまったものや、曲導だけが写っていて、「開かず」とタイトルがついた写真もあります。ここでも係りの人に話しかけられ、「今晩、4尺、見ていってくださいよ」と話し掛けられます。町中の人達が、この4尺に誇りをもっているのが伝わり、ちょっとこの町が羨ましく思います。

左下のプロパン容器と大きさを比べてみてください

この建物の横からは、段々畑のように設置さた桟敷席が、見渡す限り広がっています。その斜面の一番下に一般の自由席があり、入場券を求めて、50人程の人達が並んでいます。

(PM)
お昼にします。
Gochoさんが停めた駐車場(有料)は、月極駐車場のように、場所を確保してくれるそうで、明日のお昼までは、出入りが自由という、なんとも柔軟な駐車場です。そこで、この特典を使い、小千谷市街に出てお昼を食べる事にします。
午前中は、とても天気が良く、蒸し暑かったのですが、お昼を食べて、店から出てきた時には、曇り空が広がっており、車も雨で濡れていました。今現在は、あがっていますが、またいつ降り出してもおかしくない天候です。

(PM)
再び、片貝に戻ってきました。片貝町に入る車の渋滞が始まっていて、ちょっと焦りましたが、無事駐車場に到着です。

浅原神社に向かう道路は歩行者天国になっています。この道路から参道にかけて、多くの露店が立ち並んでいます。その中に、片貝にちなんだグッズが売られている店があります。4尺玉にちなんだ、地酒やお菓子、テレフォンカード、はたまた、CDまで売られています。
(商魂たくましい

各家の玄関には、紅白の垂れ幕がかけられ、町中が片貝まつりで一色です。


道路沿いには、花火の番付けが張り出されています。


町のあちらこちらでは、「玉送り」の儀式が行われています。
(PM)
本日の撮影場所を、片貝小学校からか、またはGochoさんのいる郵便局側か悩んだのですが、Gochoさん達がいる、郵便局側にする事にします。小学校から機材を持って、撮影場所に向うと、日本の花火の花火野郎さんも、同じ場所で三脚を並べていました。花火野郎さんと同じ場所での撮影は、今年5月の秋田に続いて2度目になります。先週の新作花火競技大会や片貝名物の煎餅の話しをしながら、打ち上げを待ちます。

(PM)
いよいよ打ち上げ開始です。風はいや~な感じです。メイン会場からアナウンスは良く聞こえず、進行の様子がわからないまま、淡々と打ち上げが始まりました。プログラムを見ると、スターマインは、数える程しかなく、殆どが、尺玉、尺玉、尺玉です。
打ち上げが始まってから2、3分もすると煙が非常にゆっくりとこちらに向かって流れ、花火が打ち上がる度に煙が重なりあって、視界を悪くしていきます。“小学校側ならなんとか、見えているのかなぁ”と思わせます。でも、打ち上げ終了の10時20分までは、まだ3時間もあり、その間には風向きも変わるだろうと、暫くレリーズを持つ手を休めます。
すると、願いが届いたのか、煙は小学校のある左側に流れ始めました。小学校側に移動しなくて正解です。その後、万全ではないですが、煙はゆっくり左側に流れ続け、なんとか写真も撮れる状態です。
撮影場所から後ろを振り返ると、関越道が見えます。そこでは、路肩にハザードを出して花火観覧をしている車が列になっています。すぐに、パトカーがやってきて、一旦はいなくなるのですが、暫くすると、また同じように路肩に列になっています。

8時30分、本日1発目の3尺玉の打ち上げです。かすかに、「3尺玉です」とアナウンスが聞こえ、桟敷席の人々の拍手が聞こえます。サイレンが鳴り、今まで打ちあがっていた場所より、やや左奥から打ち上がります。ゆっくりと尾を引きながら天高く打ちあがり、無事開発した瞬間が見て取れます。約2秒後、すざましい音と振動がやってきました。近くで観覧していた人達も拍手喝采です。このあとは、9時、9時15分、9時30分に3尺が打ち上がり、10時に、いよいよ4尺玉の打ち上げです。
1発目の3尺玉が打ち上がった後、風が止まり、またもや花火は煙の中で開く状態になってきました。さらに悪い事に雷が光だし空を明るくしています。稲妻は見えないものの、普通なら真っ暗で見えない山の稜線が雷の明かりでくっきり見えます。9時と9時15分に打ち上がった3尺玉は、煙の中で全く見えません。そして、光っているだけだった雷が、ついに音が聞こえるようになってきました。その音は、みるみる間に近づいてきます。ここから駐車場までは歩いて10分ほどかかるので、早めに撤収する事にします。戻ってからも、まだまだ4尺の打ち上げには間に合うので、条件がよければ小学校から4尺の撮影を試みます。
花火野郎さん達に別れを告げ、足早に小学校に向かいます。歩いている最中、この日1番ともいえる、祝還暦の金冠が打ち上がります。丁度、露店が立ち並ぶ道路を歩いている最中で、殆どの人が、立ち止まって、見上げています。
学校の正門に入った辺りで、ポツポツと雨が降ってきたと思ったら、あっという間に土砂降りとなりました。大急ぎで車に戻りっと一安心です。しばらく車の中で打ち上げを見ていたのですが、停めた場所が悪く、木が邪魔してよく見えません 雨は、4尺玉の揚がる10時になっても、おさまらず、仕方なく車の中で見る事にします。車に雨が打ちつける音が煩いのですが、かすかに打ち上げ合図のサイレンの音が聞こえます。木々の間から、打ちあがっている尾が見えます。そして、開発!遅れる事2秒くらい、ド~ンという音と同時に、車がグラグラッと揺れます。残念ながら木が邪魔で全体は見えませんでしたが、地上すれすれまで、千輪が開いていました。4尺を見終わると帰り支度を始める人達の姿が目立つようになります。それでも、多くの人達は、傘をさしながら、最後まで打ち上げを観覧しています。

(PM)
打ち上げが終了し、渋滞が始まります。私達は当初から、今晩車中泊して、明日移動する事にしていたので、車のシートを倒し寝床作りです。しばらくの間、渋滞の様子をみていたのですが、ピクリとも動きません。そのうち、眠気が襲ってきました。

(翌日AM)
蒸し暑さで、目が覚めました。駐車場をみると、渋滞はすっかり解消しています。再び、眠りに入ります。

(翌日AM)
夢の中で、花火が打ち上がる音が聞こえます。
「ん?」

ドン、ドン、ドドドン~。ドドドドドド~ン ドン、ドン、ド~ン

これが噂の、朝の打ち上げですか 私もmooraも目が覚め、外を見渡すと同じように車中泊した人達が、眠そうな顔で打ち上げ方向を眺めています。私も外に出て、観ようと思ったのですが、寝起きで体を動かず音だけ聞きます。それにしても、昨晩は10時20分まで、今朝は6時からと、この片貝まつりの花火に対する思いには敬服です。
早朝の打ち上げのおかげで、すっかり早起きできたので、このまま家路につく事にします。駐車場を見まわすと、約2割程の車がここで夜を明かしたようです。早起きな、おじいさん、おばあさんが、数人散歩している中、片貝町を後にします。しばらく走ると、再び雨が降り出してきました・・・
(あとで聞いたところによると、2日目も雨に降られてしまい、観覧には最悪の天候だったようです。)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする